化学式を習いたての中学生が
二酸化炭素 CO₂ の「O」って小文字にしちゃだめなの?
と疑問に思うケースがあるみたいなので、今回それが明らかにダメだと分かる化合物を紹介します。
一般的な説明に納得がいかない中学生
元素記号は 1文字 または 2文字 で、英字大文字から始まります。
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「C」は炭素原子、「O」は酸素原子を表す元素記号です。よって「CO₂」で炭素原子1個と酸素原子2個からなる物質を表します。
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一方で「Co」はコバルト原子を表す元素記号なので、「Co₂」ではコバルト原子2個からなる物質を表すことになってしまいます。
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「C」は炭素原子、「O」は酸素原子を表す元素記号です。よって「CO₂」で炭素原子1個と酸素原子2個からなる物質を表します。
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一方で「Co」はコバルト原子を表す元素記号なので、「Co₂」ではコバルト原子2個からなる物質を表すことになってしまいます。
という説明を聞いた中学生が反抗期なのか、こう言い返しました。
CO と Co が同時に出る機会なんてないから文脈で区別つくでしょ!!!!げきおこ!!!!!
※フィクションです
オクタカルボニル二コバルトを見よ
Pajoca (パジョカ)
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この化合物を見よ。化学式は Co₂(CO)₈ で、ちょうどコバルト・炭素・酸素からなる物質だ。
オクタカルボニル二コバルト という物質で、有機金属化学で試薬として使われている化合物。
画像中の分子モデルで青色で表されているコバルト原子(Co)が、黒色の炭素(C)と結合しており、その炭素は赤で表された酸素(O)と結合している。
これを見れば、ちゃんと元素記号の1文字目を大文字で書いてしっかり他の元素と区別がつくよう気をつけたくなるだろう!(強弁)
余談
化合物名は元素組成をそのまま表した名前になっている。
オクタ(→8個の) カルボニル(→CO) 二 (→2) コバルト (→Co)。
オクタカルボ「ニ」ル「二」コバルトの前のニはカタカナのニで、後ろのニは漢数字の「ニ」。
間違えて全部カタカナで書かないように注意。(面倒なので英語表記の octacarbonyldicobalt で良いか)