他動詞なら何でも接尾辞-ee「~される人」を付けて名詞化できる?
employer「雇用主(=雇う側)」とemployee「従業員(=雇われる側)」のように、接尾辞 -er は「~する人」、-ee は「~される人」を表します。
これと同じノリで、パソコンのマウスでドラッグ操作をする人を dragger、ドラッグされる物(ファイルやアイコン)を draggee って呼んで伝わるかな? と思って調べたらどうやら違和感を覚えるらしいです。
調べたらこちらの語学フォーラムでこれについてディスカッションされていました。
There are a few examples of pairs of words ending with -ee/-…
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接尾辞-ee は動作される側が「物」だと違和感を覚えるらしい
employee(従業員) や advisee(助言を受ける人) は動作される側が「人」ですが、draggee(ドラッグされる側) は「物」です。
動作の対象が人ではなく物になる場合はその動詞に -ee を付けて作った言葉に違和感を覚えるという方が上記フォーラム内に複数人いました。
あくまで「~される"人"」という意味なので、物が動作対象になる場合は作った語が(意味的には問題なく伝わっても)奇妙に聞こえてしまうようです。
(勝手に造語しても特に問題ないかな~って思っていたのでこれは落とし穴でした!)
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実際の使用例 (使われた例もわずかにある)
ちなみに draggee を今回思いついた用途で使用している人がいるか調べてみたところ、ソースコード中に dragger, draggee の語が含まれるプログラムが見つかりました。
ドラッグするものとされるものがプログラム中で両方登場する場合などは二語を対比させて使うと確かにわかりやすそうです。
一方で一般の人と話す時や、ユーザー向けのマニュアルなどで無理にこれらの語を使うのは違和感や混乱の元になりかねないのでやはり使用は控えようと思います…。
他の使用例の検索結果
draggee の語を使用している他の例を見たい方はこちらのGoogle検索結果一覧をご確認ください。(英語)
一応複数の使用例があるみたいです。
ただ使用場所は主にソースコード中で、直接多くの人の目に触れるようなところでは使われていないかも。
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スペルについて
ちなみにこの記事ではスペルを "draggee" で統一していましたが、フォーラム上では "dragee" と入力している人が多かったです。
dragging, dragger という語があることを考えれば dragee ではなく draggee な気がしますが、そもそも勝手に作った語なのでスペルに揺れが生じるのは仕方ないかも。
ちなみに同じことをフォーラム中で別の人が指摘していました。
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-er/-ee の他の疑問
これ系統で最近疑問に思ったのが escaper と escapee という語の違いについてです。
(刑務所などからの) 逃亡者を意味するのは escaper ではなく escapee というのを最近知ってちょっと驚きました。
学んだことはこちらにまとめてあります。
逃亡者(脱獄囚)を意味する英単語が escaper だと思っていたらまさかの escapee だったのでびっくり。 ( jailbreaker と同じ感じで escaper だと思ってた) 結論 escapee 逃げている人 / […]
接尾辞-eeも細かく見ると色々と興味深い使い方や性質がありそうです…!
-ee が付く名詞の一覧はこちら
リンク:Wiktionary -ee
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意外な動詞も -ee で名詞化されているかも!