NMKD Stable Diffusion GUI で Anything を使う方法

画像生成AI「Stable Diffusion」で使用できる画像生成モデルの一つ「Anything」をソフト NMKD Stable Diffusion GUI で使用する方法を記載しました。

Anything は短いプロンプトで比較的高品質なイラスト画像を出力できると評判のモデルです。

なお Anything モデルには複数のバージョンがあり、NMKD Stable Diffusion GUI での対応状況がバージョンにより異なります。

 

※NMKD Stable Diffusion GUI の導入方法や基本的な使い方はこちらに記載しています。不明点がある場合はまずこちらをご確認ください。

インストール方法・使い方

入力したテキストから画像を生成したり、自分が描いた落書きに説明テキストを加えれば思い通りの絵に変えたりできるAI「Stable Diffusion」 ↑a sleeping cat in the hot spring (温泉で眠る[…]

Anything 系モデルの種類と対応状況

Anything の各バージョンのモデルとダウンロード先、NMKD Stable Diffusion GUI での動作対応状況を表にまとめました。

モデル名称
(青字リンクは公式ページ)
ファイル名
(ダウンロードリンク)
動作対応
Anything V3.0
(anything-v3.0)
Anything-V3.0-pruned.ckpt
(※1) (※2)
○ 対応
Anything V3.1 ○ 対応
Anything V3.2 anything-v3-2.ckpt ○ 対応
Anything V4.0 anything-v4.0-pruned-fp16.ckpt
○ 対応
Anything V4.5 anything-v4.5-pruned-fp16.ckpt ○ 対応
Anything V5 ※公式ページ参照 (ご検索ください) △ 要変換

※1:Anything v3.0 公式ページでは .ckpt 形式でのモデルファイルの配布が終了しており .safetensors ファイルしか掲載されていませんでした。そのため Anything v4 のページに掲載されていた v3.0 時代のモデルファイルのダウンロードリンクを代わりに掲載しています。

※2:本家の anything-v3-fp16-pruned.safetensors ファイルをソフトの機能で .ckpt ファイルに変換してから使うこともできます。(本家の物以外使いたくない場合はこの方法。)

 

Anything と名に付いているモデルは何種類もありますが必ずしも同系統ではないみたいです。

(V3.0 の正式な後継が V5 で、V3.1→V3.2 系列と V4.0→V4.5 系列は両方とも別系統のようです。)

バージョンが高い方が高品質という訳ではなく、好みにあった物を選択する必要があります。

 

沢山あってどれを使えば良いか迷ったので比較を行い、ページ下部の「各 Anything モデルの比較」の項に生成画像比較を掲載しました。

自分で比較・検討するのが面倒ならとりあえず Anything v4.5 と、興味に応じて Anything v3.0 をダウンロードするのが良いかもです。

 

Anything モデルの使い方

まずは上記の表のダウンロードリンクからモデルをダウンロードします。

.ckpt ファイルであればそのまま使用できます。

Anything v5 はそのままでは使用できない .safetensors 形式のファイルなので、以下のリンク先のモデル形式変換法をご参照ください。

safetensors→ckptへの変換方法

最近、画像生成AI「Stable Diffusion」で利用するモデルファイルが .safetensors 形式で配布される機会が増えてきました。 NMKD Stable Diffusion GUI でその形式のモデルファイルを使うに[…]

 

Anything モデルファイル (.ckpt) を適切な場所に配置

ダウンロードしたモデルファイルをソフトが認識できる場所に配置します。

  1. 画面右上の歯車ボタンを押して Settings(設定)画面を開く
  2. 設定項目「Stable Diffusion Model」のところにある Folders... ボタンを押し、Model Folders 画面に移動する
  3. リストの「Data/models」をクリックして選び、右上にあるフォルダアイコンのボタンを押す
  4. 開かれたフォルダ画面にAnythingモデルの .ckpt ファイルを入れる (画像参照)
  5. Model Folders 画面を閉じる

NMKD Stable Diffusion GUIで Anythingモデルを使う方法:フォルダにダウンロードしたAnythingモデルを配置

↑手順③ で開かれたフォルダがモデル保存フォルダです。ここに使いたいモデルを入れればソフト側から認識できます。

使用モデルファイルの切り替え

使用モデルを先ほどフォルダに入れたモデルファイルに切り替えます。

モデルは設定画面からも切替可能ですが、以下のショートカットキーでモデル切り替えメニューを出した方が速いのでおすすめです。

  1. Ctrl + M キーのショートカットキーを押す
  2. 矢印キーで使用モデルを選択して Enter キーで決定

NMKD Stable Diffusion GUIで Anythingモデルを使う方法:モデルの切り替え

★ VAEのダウンロードと指定 (忘れずに!!)

Anything v3.1、Anything v3.2 以外のモデルはカスタムVAEも一緒に指定しないと出力画像がくすんだ色になってしまいます。

(v3.1、v3.2はVAE無しでも彩度が低くなりません。逆にVAEを指定すると色が鮮やかになりすぎる場合があります。)

 

まず、以下のカスタムVAEをダウンロードしてください。

VAEダウンロード:kl-f8-anime2.ckpt

※以下手順は簡易説明です。詳しくはこちらのページをご参照ください。

  1. ソフト右上の歯車ボタンを押して Settings 画面を開く
  2. 「Stable Diffusion VAE (Variational Autoencoder)」という項目の右端にある「Folders...」ボタンを押す
  3. VAE (kl-f8-anime2.ckpt) を入れる先のフォルダの一覧が表示されるので、リストの「Data/models/vae」をクリックして右上のフォルダアイコンのボタンを押して VAEを入れるべきフォルダに移動
  4. そのフォルダにダウンロードしたVAEを移す
  5. Settings 画面に戻り、項目「Stable Diffusion VAE」のリストから先ほど入れた VAE(kl-f8-anime2.ckpt) を選択する

これで次の画像生成時からはモデルと一緒にカスタムVAEも同時に読み込まれるようになります。

以上で Anything モデルで画像生成する準備は完了です。

 

各 Anything モデルの比較

各系統の最新版である、Anything v3.0、Anything v.3.2、Anything v4.5、Anything v5 を比較しました。

といっても結局どれが良いかは好みの問題であり、生成する画像の内容によっても大きく変わってしまうと思うので以下はあくまで個人的な感想です。

結論

(動物キャラなら) Anything v4.5 がおすすめです。Anything v3.0 も入れておき、その 2 つで出力画像を比較するのもありです。

Anything v5 が突出して良い訳でもないので、わざわざ変換する手間をかけてまで入れる必要は無いかもです。

Anything v3.2 は出力画像が平均的に他より微妙になりがちでした。

各モデルの生成画像比較 (動物キャラ編)

※アニメ系モデルは動物キャラ生成ばかりやっていたので、今回も動物キャラで比較しています。

(極めて限定された生成例しか確認できていないので、大変お手数をおかけしますがご自身で比較されることを強くおすすめします。)

同一プロンプト・同一設定で使用モデルだけ変えた場合の比較画像です。(Anything v3.2 以外は先述のカスタムVAEも同時指定しています)

Anything v3.0, Anything v.3.2, Anything v4.5, Anything v5 の比較画像

画像の生成条件 (クリックして表示)

プロンプト

cat, kemono, kawaii, furry, vulpix style, masterpiece

ネガティブプロンプト

lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, deformed

ステップ数:25

CFGスケール:8.00

画像サイズ:512x512

サンプラー:Euler Ancestral

※シード値は前半3枚が 787566348~787566350、後半3枚が 787566354~787566356 の連番です。

とりあえずシード値連番で生成させたものを並べましたが、どのモデルでも似たような構図になることもあれば要素や色使いが一気に変わる場合もあります。

上記画像(各6枚)だけで比較すると Anything v3.0 が良く見えます。

ただ上記画像に載せなかった分も含めて画像を比較すると、顔崩れが少なく品質に最も安定性があったのは Anything v4.5 でした。(上記比較画像だと微妙な物もありますが…)

次に良かったのが Anything v3.0 で、その次に Anything v5 でした。

Anything v3.2 は他のモデルに比べると生成画像が微妙な見た目になってしまうことが多かったです。

体感イメージ:  v4.5 >>> v3.0 > v5.0 >>>>>> v3.2

ただしどのモデルも出力画像の質にはシード値ごとに大きなブレがあるので、上ブレ・下ブレで上記イメージから頻繁に順位が変わります。

あくまで複数枚比較した場合になんとなく上ブレした画像が生成した回数が(体感上) Anything v4.5 で多かっただけです。

 

その他

おまけ (Anything v4.5 の画像生成例)

いつも Stable Diffusion モデル比較用 & ソフト機能説明用に生成している動物キャラ画像について、Anything v4.5 でも色々と生成してみました。

※動物キャラのプロンプトや動物キャラ(ケモノ)特化モデルファイルなどの情報は以下のページをご参照ください。

Stable Diffusion で Furry Diffusion v1.9 モデルを使って生成したかわいい動物キャラ(ケモノ)のイラスト

動物キャラのプロンプト例・モデル

画像生成AIの「Stable Diffusion」に動物キャラクターのイラストを生成してもらう試みその②です。 人間キャラクターの作例はとても多いのに、動物キャラになった途端に情報皆無になってしまっているのでこちらでプロンプトなどを共[…]

Stable Diffusion で Furry Diffusion v1.9 モデルを使って生成したかわいい動物キャラ(ケモノ)のイラスト

 

Anything 系統は動物キャラを出そうとすると髪付きになりやすいかもです。(あと、何も指定しなくても女の子キャラになりがち)

髪なしのマスコットキャラとして出てきてほしい場合はプロンプトに工夫が必要そう…。

 

anything v4.5 モデルで生成したかわいいネコ系の動物マスコットキャラ(ケモノ)イラスト
cat, kemono, kawaii, furry, vulpix style, masterpiece [lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, deformed] -s 25 -S 394707515 -W 512 -H 512 -C 8.0 -A k_euler_a

 

anything v4.5 モデルで生成したかわいいネコ系の空色の動物マスコットキャラ(ケモノ)イラスト
cat, kemono, kawaii, furry, sky blue cat, vulpix style, masterpiece [lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, deformed] -s 25 -S 1905510617 -W 512 -H 512 -C 8.0 -A k_euler_a

 

anything v4.5 モデルで生成したかわいいネコ系のピンク&白の動物マスコットキャラ(ケモノ)イラスト
cat, kemono, kawaii, furry, white pink cat, vulpix style, masterpiece [lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry, deformed] -s 25 -S 183338388 -W 512 -H 512 -C 8.0 -A k_euler_a

↑もふもふの何かが浮いてます(笑)

早くいけめそねこさんきつねさんおおかみさんをたくさんつくれるようにプロンプト探索しないと!!/ᐠ˶>ω<˶ᐟ\(おとこの子キャラにしようとした途端難易度が急上昇(涙))

ソフトの使い方や便利機能

モデル変更以外にもソフトには色々な機能があり、工夫次第で画像生成の幅がかなり広がるので以下の各ページをぜひ見てみてください。(画像クリックで該当ページに移動できます)

NMKD Stable Diffusion GUI 記事一覧

ソフト画面・機能マニュアル

 

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